5-1. 空間配置型の「開発成果展開マップ」

  開発成果を発明者が「開発成果展開マップ」にまとめることで、発明提案書が完成するという構図を作ってみました。

  発明を説明する以上、発明とは何か、発明の本質は何かということを意識することから始まります。

  技術の創造という観点でいうと、発明の本質は発明の機能であり発明の作用ということになります。特許明細書の記載項目としては、重要視されていない発明の作用こそが、その発明の価値を決める発明の本質なのです。それは、その発明の解決原理は何かということです。原則として、解決原理が異なれば別発明です。解決原理が他の発明の要素とどのような関係にあるかを確認すると、以下のとおりです。

「発明の目的」→「発明の構成」→「発明の作用」→「発明の効果」⇔「解決課題」→「解決手段」→「解決原理」→「解決結果」

  発明提案書としては、これら四つの要素が漏れなく記載されていることが必要になります。さらに、特許明細書の記載項目に対応する内容を漏れなく記載するためには、これら四つの要素の下位概念にあたる「従来技術とその問題点」「具体例、変形例、応用例の構成」「具体例、変形例、応用例の作用」「具体例、変形例、応用例の効果」も必要になります。

5-2. カード式(MC)で発明提案書を作ってみる

 ここでは、メモカードを利用した発明提案書の作成方法を提案いたします。

 この方法によれば、強い権利を取得するために必要な、発明の上位・中位・下位概念をもれなくチェックする手順が組み込まれていますので、専門家の方々にとって実際の特許明細書を作成する際の設計図になるしっかりとしたものが完成できます。

 この設計図を「開発成果展開マップ」といい、具体的には、マトリックスカード(MC)というものを使用してまとめることで、開発成果が一覧できるマトリックス表を作成します(MCを使って問題解決を図ることをMC法という)。

 MC法を利用して発明提案書を作成する目的は、発明(=開発成果)を十分に展開した特許明細書の設計図(「開発成果展開マップ」)を完成させることにあります。発明提案書は、「開発成果展開マップ」をMCで作成することが最初で、その後で必要に応じて、この発明提案書を特許明細書のスタイルに変換することになります。

 なお、パソコンを使って「開発成果展開マップ」や「特許明細書案」を作成したい方は、「MEMODAS」というMC法のアプリケーションソフトがあります。(問い合わせ先:日本アイアール(株)TEL.03-3357-3467)。

5-3. 具体的作成手順(1)発明の名称を決める

 ここでは、「開発成果展開マップ」の最終ステップに組み込まれているカード式の新しい発明提案書の作成手順を「消しゴム付き鉛筆」を例にとって説明します。 

発明の大きな柱は

  1.【発明の目的】
  2.【発明の構成】
  3.【発明の作用】
  4.【明の効果】

の四つということですので、発明説明書(発明提案書)のタイトル(テーマ)である「発明の名称」を中心のカードに記載します。

5-4. 具体的作成手順(2)発明の用途を決める

  【発明の目的】は、問題を解決する際に、最も重要な「なんのために」という疑問に答えることです。したがって、発明の用途も発明の目的と同じカードに記載します。

注: カードの1セル面(裏面)に
「発明の目的」と記載します。
「9画のマトリックスカード」の中心のセルに「発明の目的」と記載し、以下の質問の答えとなる内容を周辺のセルに記載します。

Q2.

 

  • その発明は何に関するものですか?
  • その発明は新規なものですか?
  • 他の技術の改良ですか?
  • 装置等の全体に関するものですか?
  • それとも特定の部分についてのものですか?
(ここには、技術分野、利用分野を記載し、合わせてその発明の概要と用途を記載します。

5-5. 具体的作成手順(3)従来技術とその問題点

  発明の目的は従来技術の問題点を解決することです。したがって従来技術とその問題点について記載します。

注: カードの1セル面(裏面)に
「従来の技術」と記載します。

「9画のマトリックスカード」のカードの中心のセルに「従来の技術」と記載し、以下の質問の答えとなる内容を周辺のセルに記します。

Q3. その発明の技術分野には、従来どのようなものがありましたか?
(ここには、その発明に最も近い従来技術(従来品)を記載します。特許公報、文献、カタログ等があったら、具体的に名称や番号等その資料を特定します。)

5-6. 具体的作成手順(4)発明の目的である解決課題

発明の目的】のカードへ発明の課題を記載します。

注:

「9画のマトリックスカード」の中心のセルに「発明の目的」と記載してあるカードの周辺のセルに、以下の質問の答えとなる内容を記載します。
Q4.
  • 従来の技術にはどのような欠点、問題点がありましたか?
  • 従来技術(従来品)のどの欠点をどのようにして解決しましたか?
  • 目的は一つですか?複数ありますか?

5-7. 具体的作成手順(5)発明の構成

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 発明の構成】は、目的に対する手段を示すものです。発明の構成は、あくまで開発技術の有利な効果を生じる開発技術の構成を記載します。

注:

カードの1セル面(裏面)に
「発明の構成」と記載します。
  「9画のマトリックスカード」の中心のセルに「発明の構成」と記載し、以下の質問の答えとなる内容を周辺のセルに記載します。
Q5.
  • その開発技術の要旨は何ですか?
  • 目的達成の手段としてなくてはならない構成要件(部分)は何ですか?
  • あるほうがよい構成要件(部分)は何ですか?
  • 構成要件(部分)と構成要件(部分)との結合関係はどうなっていますか?
  • 取り除ける構成要件(部分、結合関係)は除外します。
  • 一口に言ってその開発技術のポイントは何ですか?

5-8. 具体的作成手順(6)発明の効果

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 【発明の効果】は、解決結果のことですから開発技術の有利な効果を記載します。効果には、質的な効果と量的な効果がありますので、両方とも記載します。

注: カードの1セル面(裏面)に
「発明の効果」と 記載します。
  「9画のマトリックスカード」の中心のセルに「発明の効果」と記載し、以下の質問の答えとなる内容を周辺のセルに記載します。
Q6.

 

  • その発明が完成して便利になったことは何ですか?
  • 目的達成の度合はどの程度ですか?

5-9. 具体的作成手順(7)発明の作用

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 【発明の作用】は、【発明の構成】から生じる動き、働きであり、【発明の効果】を生じる原因となるものですので 開発技術の有利な効果がどんな作用(機能)から生じるのか、その作用(機能)を記載します。

注:

カードの1セル面(裏面)に
「発明の作用」と記載します。
  「9画のマトリックスカード」の中心のセルに「発明の作用」と記載し、以下の質問の答えとなる内容を周辺のセルに記載します。
Q7.
  • 何のどこをどのようにして使いますか?
  • 何のどこがどのように動きますか?
  • 何のどこがどのように働きますか?
  • 開発技術の原理は何ですか?  
  • 何のどこがどうなりましたか?
  • どんなことができるようになりましたか?

5-10. 具体的作成手順(8)具体例の構成

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 【発明の作用】のカードに記載した内容と同じ作用(機能)を果たすことのできる他の構成・構造を考えます。【発明の構成】に記載した技術と同じ解決原理による他の構成・構造を考えます。具体例、変形例、応用例等(下位概念、同位概念、上位概念)を考え出します。最低でも3種類程度考えます。

注: カードの1セル面(裏面)に「実施例」と記載します。
 
  「9画のマトリックスカード」の中心のセルに「実施例」と記載し、以下の質問の答えとなる内容を周辺のセルに記載します。
Q8.
  • 開発技術の代替技術は考えられないか?
  • 開発技術の一部を変形しても同じ作用(機能)が実現できるのではないか?
  • 開発技術に何かを付加したらさらに便利にならないか? 
  • 開発技術は上位の目的から見たら一実施例に過ぎないのではないか?
  • その発明の具体例を図面に従って説明するとどうなりますか?
  • 何のどこに何をどうしましたか?
  • 何のどこをどう変えましたか?
  • 何のどこをどうしたところが新しいですか?

5-11. 具体的作成手順(9)具体例の作用

  開発技術の具体例、変形例、応用例等(下位概念、同位概念、上位概念)の作用は発明の実施の形態や実施例の作用を記載します。

注: カードの1セル面(裏面)に
「実施例の作用」と記載します。
  「9画のマトリックスカード」の中心のセルに「実施例の作用」と記載し、以下の質問の答えとなる内容を周辺のセルに記載します。
Q9.
  • 開発技術の代替技術は考えられないか?
  • 開発技術の一部を変形しても同じ作用(機能)が実現できのではないか?
  • 開発技術に何かを付加したらさらに便利にならないか?
  • 開発技術は上位の目的から見たら一実施例に過ぎないのではないか?

5-12. 具体的作成手順(10)具体例の効果

  【発明の効果】の下位概念に当る開発技術の具体例、変形例、応用例等(下位概念、同位概念、上位概念)の効果を開発技術の具体例、変形例、応用例等の質的な効果と量的な効果を記載します。

注: カードの1セル面(裏面)に
「実施例の効果」と記載します。
  「9画のマトリックスカード」の中心のセルに「実施例の効果」と記載し、以下の質問の答えとなる内容を周辺のセルに記載します。
Q10.
  • 開発技術の具体例、変形例、応用例等が完成して便利になったことは何ですか?
  • 図面に描かれたものの具体的な効果、利点は何ですか?
  • 開発技術の具体例、変形例、応用例等により、効率、安全、耐久性、省力等どんなよいことが増えましたか?
  • 騒音、危険、故障、無駄等どんな都合の悪いことが減りましたか?
  • 趣味感、美感、意外性等の二次的効果は何ですか?

5-13. 具体的作成手順(11)発明の用途・目的を確認

 開発技術の具体例、変形例、応用例等を考えることにより、当初の発明の目的自体を変更する必要が生じることもあります。具体例、変形例、応用例等の各々の目的は勿論、それらの目的を組み合わせた新しい目的をも考える必要が生じることがあります。

 必要なら具体例、変形例、応用例等について試作・実験をしてそれらの作用・効果を確認します。

注:「9画のマトリックスカード」の中心のセルに「発明の目的」と記載してあるカードの周辺のセルに、以下の質問の答えとなる内容を記載します。
Q11.
  • 具体例、変形例、応用例等の目的・効果は何か?
  • 具体例、変形例、応用例等から考えられる複合目的・効果は何か?
  • 開発技術の上位目的は何か?
  • 「発明の目的→発明の構成→発明の作用→発明の効果」の整合性に問題はないか?

5-14. カード式(MC)の発明提案書の具体例

  説明の都合上、一つの手順を示しましたが、マトリックスカード(MC)というメモカードによる「開発成果展開マップ」はどこから記載してもよいということが特徴ですので、この手順にとらわれることはありません。

  発明の四要素を上下左右に空間配置された位置関係を守るといったルールに従えば、その対応関係(整合性)を確認できますので、その確認さえすればどこから記載してもかまいません。

  ただし、9枚すべてのカードを記載することとします。

  記載する内容が多い場合には、新しいカードを使って「9画のマトリックスカード」の中心のセルにテーマを記載し、その周辺のセルにその構成要素(内容)を記載します。その際、カードの裏面の1セル面に必ずテーマを記載しておくようにしてください。これで、後のカードの整理が容易になります。

5-15. 開発成果展開マップから特許明細書案への変換

 「開発成果展開マップ」は、発明説明書(発明提案書)としての必要な内容が記載されていますが、特許明細書そのものではありません。そのため、このまま特許庁へ提出するわけにはいきません。

 そこで、「開発成果展開マップ」を特許明細書の様式に合わせる作業が必要となります。

 「開発成果展開マップ」を特許明細書の様式に変換したものを特許明細書案と呼ぶことにします。

  後は、この特許明細書案を特許担当者や弁理士に提出し、特許庁へ提出できる特許明細書にしてもらうことになります。

 マトリックスカード(MC)のフラクタル構造(入れ子構造)が理解できる方には、「開発成果展開マップ」が発明説明書として理解できるため、あえて特許明細書の様式に変換しなくとも(特許明細書案を作成しなくとも)、カード式の発明提案書を直接特許明細書を作成する際の参考資料(特許明細書の設計図)とすることができます。この場合には、変換の手間が省けます。

5-16. 開発展開マップは「空間配置型」と「時間配置型」がある

    開発成果展開マップ」には、空間配置型時間配置型が考えられます。発明を把握する場合には、発明の目的、発明の構成、発明の作用、発明の効果等の配置に意味を持たせた空間配置型が理解しやすく便利です。

 しかし、特許明細書という特許法が要求する様式においては、記載の項目とその順序が決められていて、これを守らなければなりません。

 そこで、空間配置型の「開発成果展開マップ」を時間配置型に変換する必要があります。

 空間配置型の「開発成果展開マップ」では、

中心のカードが「発明の名称」、
【発明の目的】・・「従来技術」
【発明の構成】・・「具体例、変形例、応用例」
【発明の効果】・・「実施の形態、実施の効果」
【発明の作用」・・「実施例の作用」

というふうに、発明の四要素が上下左右の位置を占めています。

5-17. 時間配置型が特許明細書の記載項目順である

  時間配置型の「開発成果展開マップ」では、特許明細書の記載項目順に配置されます。

中心のカードに「発明の名称」
その下のカードに 「従来技術とその問題点」
その左のカードに 「発明の目的(解決課題)」
その上のカードに 「発明の構成(解決手段)」
その上のカードに 「発明の作用(解決原理)」
その右のカードに 「具体例、変形例、応用例」
その右のカードに 「具体例、変形例、応用例の作用」
その下のカードに 「具体例、変形例、応用例の効果」
その下のカードに 「発明の効果(解決結果)」

といったように、それぞれのカードを「の」の字(時計回り)に時系列に配置します。

 すると、特許明細書の記載項目の順序である、1.【発明の名称】2.【従来の技術】3.【発明の属する技術分野】4.【課題を解決するための手段】【特許請求の範囲】5.【発明の実施の形態】6.7.8【実施例】9.【発明の効果】の発明提案書が完成されます。

05-18. 空間配置型を時間配置型へ変換する

開発成果の表現
(明細書原案)

1. 発明の構成【特許請求の範囲】【課題を解決するための手段】
1.1 構成1: 鉛筆の一方の端部に、鉛筆の太さと同程度の太さの消しゴムを連結具を介して連結した消しゴム付き鉛筆
1.2. 構成2: 連結具を金属管とし、この金属管と鉛筆及び消しゴムとをかしめ孔にて固定したことを特徴とする消しゴム付き鉛筆
1.3. 構成3: 連結具を鉛筆に対して着脱可能に設けたことを特徴とする消しゴム付き鉛筆
2. 従来技術とその問題点【従来の技術】
2.1. 従来技術(A1)消しゴムと鉛筆が別々の場合
2.2. A1: 鉛筆と消しゴム鉛筆を使用して書類を書くときには、鉛筆で書いては間違いを消しゴムで消しまた鉛筆で書く、といった作業が煩雑に繰り返される。
2.3. A1: 鉛筆と消しゴムを持ち替える必要があり不便であった。
2.4. A1: 消しゴムが小さくなった場合には、転がり易くなって消しゴムを紛失することもあった。
2.5. 従来技術(A2)消しゴムを鉛筆の一端にセロテープで固定したもの
2.6. A2: 消しゴムの固定が完全ではなくグラグラして使い難かった。
2.7. A2: 重い消しゴムが鉛筆の上部に付いているためバランスが悪くて字が書き難く、実用的なものではなかった。
2.8. A2: 大きな消しゴムが鉛筆に付いているので体裁も悪かった。
3. 発明の用途・目的【発明の属する技術分野】【発明が解決しようとする課題】
3.1. 鉛筆と消しゴムとを一体化とした消しゴム付き鉛筆に関する。
3.2. より実用的で体裁のよい消しゴム付き鉛筆を提供する。
4. 具体例・変形例・応用例【発明の詳細な説明】【発明の実施の形態】
4.1. 具体例1(すべての構成に共通する事項を含む)
4.1.1. 鉛筆の一端に金属管を嵌め込み、その金属管の反対側に鉛筆本体の太さと同程度の太さの柱状の消しゴムを嵌め込んでいる。
4.1.2. 金属管と鉛筆本体および金属管と消しゴムとの取り付けは、接着剤を使用することでしっかりと固定する。
4.1.3 鉛筆は、その長さや形は自由であり、色鉛筆であってもよい。
4.1.4. 連結具とは、消しゴムと鉛筆を連結して、その使用時に一体にできるものであればよく、その材質が金属に限定されるというものではない。
4.1.5. 連結具は、取り付けられた消しゴムを書類にあてがって消しゴムを擦る操作に対抗して支え得る強度(使用上の強度)があればよい。
4.1.6. 連結具は、鉛筆本体や消しゴムの形状に合わせて、金属、軽金属、プラスチック等使用上の強度に問題のない材料を成形して製作すればよい。
4.1.7. 消しゴムは、鉛筆本体より太くても細くてもよい。
4.1.8 消しゴムの断面形状は、丸、三角、四角、六角形等自由であり、中実又は中空のいずれでもよい。
4.2. 具体例2
4.2.1. 連結具を金属製の中空とした金属管とし、この金属管の一端を芯が露出していない鉛筆の一端に嵌めて、この金属管の外側からかしめ孔を打つ。
4.2.2. 金属管の他方の中空部には消しゴムを嵌めてかしめ孔だけでも十分な結合度が得られるのでね接着剤を使用して連結具を固定しなくてもよい。
4.3. 具体例3
4.3.1 連結具は鉛筆の一端に着脱可能に嵌め合わせる。

 そこで、アプリケーションソフト「MEMODAS」を使用する場合には、移動したい内容を指定してカット(切り取り)し、移動すべき箇所にペースト(貼り付け)を行うといった作業をして、いくつかの箇所に点在している同一項目の内容を一個所にまとめたり、一つの項目(1枚のカード)をそっくり必要な箇所へ移動することもできますので、この機能を使って特許明細書の様式に合わせることにします。

 アプリケーションソフト「MEMODAS」では、9枚のカードを時系列に並べた状態(「の」の字に関係線でつなぐ)でファイル出力を指示することにより、各カードに記載された内容が並べた順番でアウトライン状(箇条書き)にワープロソフトに持っていけますので、その他の細かな編集をワープロソフト上で行い「特許明細書案」を完成します。

5-19. 発明の論理的構成

   嶋宣之弁理士の「発明の論理構成」

 従来の特許法施行規則で定められた特許明細書の様式に従った発明提案書の構成しか知らない発明者にとっては、画期的な図表ではないかと思います。

 発明を従来の技術との比較で説明しようとする点で、発明者にはわかり易いものといえます。

 しかも、従来の技術に対して、その構成を
「今まで、こうしていたので、」とし、これと因果関係にあるその欠点を「こんなに不便だった」という表現で捉えると共に、発明については、その構成を「今度は、こうしたので、」とし、これと因果関係にあるその効果を「こんなに便利になった」という表現で捉えることで、難しい特許用語を使うことなく技術を表現するかたちが発明者である研究者、技術者に受け入れ易いものです。

 新しい発明提案書の構成は、このような従来の技術との比較発想と技術概念としての因果関係で発明を説明する方法が参考になります。