9.人が生きていくに必要な情報は、必要としている人へ直ぐに伝わる(1)

1.諸国へ素早く伝わった「徳政令」

・新聞もテレビもない時代、人々は口伝えで情報を得ていた。

・『徳政令』(岩波新書、笠松宏至著)という本に、鎌倉時代の永仁5年(1297年)3月初めに立法された徳政令が、どれだけの速さで諸国に伝わったかが出ている。

・御家人が一般の人に売った土地は無償で取り戻せる、というのが徳政令であったから、土地を買った者とすれば、大変な法律であったわけだ。

2.情報の質や量が注目されるが、どのよう使うかが大事である

・『幕末維新の民衆世界』(岩波新書、佐藤誠朗著)という本には、異人の登場で主に商人たちがどんな動きをしたかが書かれている。

・英語を学び始める者、絹の輸出に望みをかける者、牛肉を売りに横浜へ行く者がいたり、旺盛な活動をしていることが読み取れる。

・江戸と大阪で、ほとんど毎日、お互いの状況を知らせる早飛脚も飛んでいたようだ。さらに京都の政治的な動きも記されており、横浜のビジネスのことも的確に触れられている。