10. 戦いは情報戦略が「ある、なし」で勝敗が決まる

1.戦いは武器と情報の争いでもある

・戦争は武器の争いでもあれば情報戦でもある。日本は先の戦争で、その両方でアメリカに負けた。

・日本は物量がまったく違い、戦略レベルも格段に違う国と喧嘩したのだから負けるのは仕方がない。

・最大の武器である戦闘機の開発コンセプトからして違っていた。

・名機、ゼロ戦は空中戦を戦い抜くために一切の無駄を排除したマシンであり、パイロットもマシンのパーツのような扱いになっていたという。

・パイロットは零戦と共に命を落とすことになる。戦闘能力に長けたパイロットは戦死し、未熟であるパイロットが残される。彼らも体当たりで海の藻屑と消えていく。

・片やアメリカは図体の大きいB29である。これは大きければ強いだろうという単純な発想ではなかった。性能アップも一因ではあったが、パイロットの身を守るために大きくしたというのが真相だと伝えられている。

2.情報は使うタイミングが大事である

・情報戦においてもお粗末で、日本は手探りで「場当たり的」に戦っていたに等しい。負けが込んできても、まともな情報が入ってこない、それで勝てると考えるほうがおかしい。

・今となれば冷静なこともいえるが、神がかり状態では破滅へと突っ込むしか道がなかった。情報を使うのにはタイミングが大事で事態の悪化が進んでからでは、どんな良い情報でも役立たない。

・与えられた目標に向かい闇雲に突き進む姿勢が、戦後、日本人から無くなったかといえば、否である。まだまだ情報の価値を侮っているところがあり、”まだ大丈夫だ、まだやれそうだ、みんなの力を合わせればなんとかなる”、という精神主義だけでは通用しない時代である。