3.座して待つより、活路を見出す

  では、このまま「ジッ」として成り行きに任せるしかないのか。社員の数は少ないが、その家族を含めて、我々は喰っていかねばならない。悲観して落ち込んでいる場合ではない。社会が変化すれば「新しいビジネスの芽が必ず生まれるはずだ」と、勇気つけるしかない、ここで立ち止まっていたのでは前へ進めない。三国志で有名な、諸葛孔明の言葉を思い出す。まさに“座して待つより、活路を見出せん”の心境である。

  日本アイアールが、やれることを一生懸命に考えるしかない。発明くんの脳みそは人様よりも少ないが、幸い考える行為は金が掛からない。発明くんのアタマの中にあるのは、“仕事は、面白おかしくなければ、長続きしない“という思い込みである。では、どのようにして、そのような仕事を見出すか。

  工業社会では人、金、技術に勝る大企業が圧倒的に有利であったが、知的社会では個人が持つ「知恵、ソフト、感性」といったものに視点が当てられている。知財業界から必要とされる会社になるには、この「知恵、ソフト、感性」と言ったものが「経営資源」になるはずだ。

  今後は会社が大きいとか小さいとかで評価されないと思う。日本アイアールは、“何ができるの?何を提案ができるの?”というソリューシヨンが問われる時代になっている。例えばネット社会の現実を見れば明らかである。小さな会社であろうと、個人であろうと、値打ちのある面白い役に立つ情報を発信していればたくさんの人がアクセスしてくれる。大企業が膨大な金と人手をかけたところで、面白くもなんともない情報であればアクセスはしてこない。自由な発想から生まれる斬新なコンセプトは、大きな組織の中では生まれにくい。だから、小さな組織にもチヤンスがある。

  都合よく考えれば、エキサイティングな本当に面白い時代を迎えていると思う。時代の変革期には必ずチヤンスがある、と信じる。良い時代なのか悪い時代なのかは人それぞれの考え方で決まる。お客が抱えている「課題解決」にお手伝いができれば、日本アイアールは、小さくても生き残れるはずだ。

発明くんイラスト

  ★何の為に学問するのか、書物を読んでいるばかりでは駄目だ、「事業」をやれ、金儲けでなく社会の為に具体的なことをやれ
(吉田松陰)